育ログ

子育てパパの奮闘記。めざせ育メン。負けるなお父さん。

皆さん農薬食べちゃってますよ!


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先日、こんな記事を見ました。

papiko8-l.hatenablog.com

 
残留農薬は酢水で落とせると。酢水?!

子育て中の身として、農薬のことはなんとなく気にはしていましたが、なんだか疑問が残ったので、これを機会に農薬について調べて、きちんと農薬を落とす方法を考えてみることにしました。
 

農薬とは

 

農薬は殺虫や殺菌、除草目的に使われるわけですが、人の身体や動植物などの生態系への悪影響があるため、農薬取締法食品衛生法などにより規制されています。また食物中に残留してよい農薬の濃度が決められていて、その濃度を超えた場合は流通が禁止されるそうです(参考①)。そうは言っても、沢山身体に入れば悪影響が出ることは否めないため、極力身体に入る前に取り除くことが望ましいと言えます

参考①:農薬 - Wikipedia

 

作物中における農薬の存在箇所

 

作物に撒かれる農薬は、作物内部に蓄積していくイメージを持っていました。しかし、よくよく調べてみると、光や微生物、植物自体の代謝によって分解されるために、作物に存在する農薬のほとんどは収穫に近い時期に撒かれた農薬で、作物の1番外側の葉や皮などに多く存在するそうです(参考②)。ちなみにですが、最近では短期間で分解するような農薬が使われていて、土壌汚染などの心配もないようです(参考③)。

さらにその作物の外側のどの部分に農薬が存在するのかも調べてみました。葉の最表面にはクチクラ層と呼ばれる層があるそうですが(参考④)、この層は水の蒸散や物質の進入を妨げる働きをするため、農薬もこのクチクラ層によって遮断されて、ほとんどがこのクチクラ層に存在するようです。
 

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図.葉の構造の模式図(参考④より)

 


 参考②:残留農薬カット5つのコツ:日経ウーマンオンライン【春の解毒野菜ランキング&レシピ】
 参考③:食品農医薬品安全性評価センター第19回学術講演会 https://www.anpyo.or.jp/images/pages/academic_lecture/19kamiji.pdf

参考④:BSI 生物科学研究所「化学肥料に関する知識」

http://bsikagaku.jp/f-knowledge/knowledge36.pdf

 

農薬の種類と性質

 

農薬の種類について調べてみると、農薬は油溶性(または脂溶性、油に溶ける性質)のものと、水溶性(水に溶ける性質)のものが存在するようです。水溶性のものは水で薄めて散布すればよいのですが、油溶性のものは有機溶媒(ボンドやペンキ、マジックに使われるようなツンとした匂いのする液体)に溶かして散布するわけにもいかないため、界面活性剤(洗剤などに使われていて、油を水に混じりやすくするもの)を使って水に溶かしたり、混ぜたりして散布するようです。油溶性の農薬は界面活性剤を利用して水と馴染み易くしているものの、水溶性のものに比べると水には溶けにくい性質があるようです
 

農薬の落とし方

 

まずは、最表面の葉や皮に多くの農薬が存在するため、一番外側の葉や皮を取り除くのが最も効果的です。しかし、皮ごと食べるものなどはどうすればよいでしょうか?
上で書いたように、農薬は水溶性または油溶性のものが存在し、その多くがクチクラ層に残留しています。水溶性のものは水に溶けやすいため、水にさらすことでかなり落ちますが、小さな凹凸などに入り込んだものは溶け出しにくいため、水でよく擦り洗いことでしっかりと農薬を落とすことができます。また、茹でればそのほとんどが茹で汁に流れ出るはずです
 
また油溶性の農薬は、水には溶けにくいため、水にさらしても十分に落とすことは難しいと言えます。油で揚げることで、農薬が揚げ油に溶け出すため、農薬の濃度はかなり薄めることが可能です。揚げる以外でこの油溶性の農薬を落とすには油汚れなどを落とす食器洗い用の洗剤が有効です。スポンジなどを使って擦り洗いをすれば、水溶性・油溶性いずれの農薬もすっかり洗い流すことができます
 
しかし、クチクラ層内部、さらにその奥まで入り込んだ農薬まで落とすにはどうすればよいでしょうか?その場合には、表面を板ずりなどにより柔らかくしたり、重曹などを使って繊維を柔らかくして、 水や洗剤が入り込み易くすることが有効です

重曹はアク抜きなどにも使われますが、その効果としては繊維を柔らかくすることでアクの成分を溶け出し易くするそうで(参考⑤)、残留農薬にも同様の効果が期待されるものと思われます。
  
一方、酢水も同様にアクを取ると言われますが、その働きは重曹とは全く異なり、食物が褐色に変化する作用を弱める働きです。また、酢には防腐・殺菌効果や肉を柔らかくする効果、魚の臭みをとる効果などもありますが(参考⑥)、農薬への作用が科学的に記述されているものは見当たりませんでした。
 
しかし、油溶性の農薬を水になじみやすくするために使用される界面活性剤の種類によっては、酢水のような酸性のものを加えると水に溶けやすくなるものも存在し(カチオン性界面活性剤)、界面活性剤と一緒に油溶性の農薬も一緒に水に溶けだし易くなる可能性があると考えられます(参考⑦)。とはいえ、その効果は特定の界面活性剤(カチオン界面活性剤)と油溶性の農薬の組み合わせた農薬にのみ有効なものであるため、酢が特別農薬を除去する効果高いとは言えず、酢水はどちらかというと水で農薬を流すのと同時に殺菌しているようなイメージなのかなと思いました。

 

参考⑤:アク抜きの原理http://www.nikkakyo.org/upload/plcenter/303_325.pdf

参考⑥:【医師監修】やっぱり凄い!お酢の効果 | ヘルスケア大学

参考⑦:界面活性剤 その1 - 読んで美に効く基礎知識/お肌とコスメの科学

 

以上が、調べた結果ですが、もし農薬や農薬の除去方法に詳しい人がいたら、教えて頂ければ幸いです。